B 銀狼怪奇ファイル −もう一つの美しきもの、姉弟愛かな−   


   <概要>

    1996年1月13日〜3月16日(土曜・9時。NTV日本テレビ)
    プロデュース:井上 健・蒔田 光治・櫨山 裕子
    脚 本:田子明弘・大石哲也・羽原大介
    演 出:佐藤東弥・保母浩章・井上健
    音 楽:武内 亮
    主題歌「ミッッドナイト・シャッフル」歌・近藤雅彦
    エンディング「僕は思う」歌・堂本光一
    タイトルバック・堤幸彦
    原作:「超頭脳シルバーウルフ」 作・金成陽三郎 漫画・越智辺昌義

    出演者:堂本光一(不破耕助・不破銀狼)、宝生 舞(小早川冴子)
         蟹江敬三(小早川順三郎)、三宅健(薬師寺力)、宇梶剛士(大林大作)
         木村佳乃(鏡 遥)、井ノ原快彦(蛭間純平)、秋山純(土門竜太郎)
         中山エミリ(麗子)、松山幸次(木ノ内太)


   <構成>
 
全10回(2話完結型で、実質5話))

ファイル1  首なしライダー (1月13・20日)
ファイル2  恐怖、人間発火事件(1月27日 2月3日 )
ファイル3  破壊の死神    (2月10・17日 )
ファイル4  呪われた天神学園 (2月24日 3月2日 )
ファイル5  最終決戦VS金狼  (3月9・16日 )

(サブタイトル)、
第1話 2つの頭脳を持つ少年・恐怖!首なしライダー出現!
第2話 生き返る死体!? 暴かれた首なしライダーの悲しい正体
第3話 突然人体が炎上?! エリート野球部連続怪死の謎を追え!
第4話 人体発火・完結編 憎しみが炎に変る! 野球部に消えた純愛
第5話 恐怖!ポルターガイスト 机がイスが勝手に動き出す!! 学園に忍び寄る死神 の影
第6話 死神が絵からぬけだし最後の娘が死ぬ・・・血ぬられた画家一族を狙う復讐の 仮面をあばけ!
第7話 呪われた天神学園・動物のたたり!? ネズミの大群が教師を襲う
第8話 金狼がついに登場!! 予告通りに次々と起こる事故死はトリック!?
第9話 金狼現わる! 生徒が一晩でミイラに… 明かされる銀狼出生の秘密
第10話 完結編!最終決戦VS金狼 勝つのは誰だ?!そして最後の変身…

土9ドラマ(土曜9時NTV)に関しては、前回の「家なき子」のドラマ考を参考にして ください。



<はじめに>

この作品から、待望の主人公ですね。
光一君にとっても、代表作でありヒット作です。
フアンにとってもまさに一粒で二度美味しい、二役を演じる光一君の魅力満載の作品 です。
私的にも「人間・失格」で、衝撃の初遭遇を果たしながらも、堂本光一と言うよりも、 留加〜!に興味は集中でしたか ら、それ以降も、俳優としての成長を待つと言う感じでした。
それが、山田太一作「パパ帰る」で、彼を見るや、留加健在〜と再認識、私の中の役 者堂本光一熱がふつふつと復活し たわけです。即同時期の銀狼はリアルタイムでのドラマなだけに、気持ちは募りなが らも、娘達でさえ見ないアイド ルドラマを毎回見ることもできず、タイトルバックだけ見て、引き下がるという不遇 時代でした。
じっくり〜、ゆっく〜りとは、再放送で見ました。その後、密かに市販のビデオを 買った最初の作品です。
「LOVELOVEあいしてる」徳永英明さんの回での銀狼話に、大喜びしたのは言うまでも ありません〜。
あの熱弁振りに〜、あ〜やはり大人でもはまるドラマなんだわ〜、ツボも一緒だし〜 と心強い味方を得て、胸撫で下ろす思いで、自分の光ちゃんはまり邁進に、勇気を得たものでした。(笑)

では、このドラマの魅力について、いつもの独断と偏見で・・・、51の回答でも多く の方が、お気に入りに入れてお られたので、ちょっと怖いのですが〜、わたし流にお喋りしたいと思います。
まずは、その逆境下にあっても、どーしても見ずにはおれなかったそのタイトルバッ クから・・

<タイトルバック>

「人間・失格」で、はまった嘆きの天使(私命名)に取って代わって、引き付けて止まな かったこの素晴らしき映像は、 その顔にきちんと2年の成長振りが出ていましたね。
ぐーっと少年らしさが増し、その表情は優しさと強さを含み、しっかり前を見据えて 私達に問い掛けてくるようです。
そして、私の胸の奥深くを掴んで、完全に虜となった記念すべき映像です。
嘆きの天使の困惑に打ちひしがれて、ただ泣くしかなかった映像とは違い、はっきり 見せる、演じる(勿論主人公と して)との意志を充分に感じ取ることが出来、ドラマの内容とクロスして迫ってきま す。
このタイトルバックの映像のみは、堤幸彦さんが撮られたもので、その後独自の映像 感覚で素敵な作品を排出されて いますね。光一君に関しては、「未満都市」、音楽映像としても素晴らしい「ハルモニ ア」がそうでした。

ちょうど1話の開始9分以降から流れるこの映像は、上手く今後の耕助を暗示する形 で始まります。
左腕を押さえながら、よろめき、地面にのたうち回る耕助の映像に炎と主題歌の強そ うに生きていくよりも〜、が被 ります。前を向き、立ち上がり、また前を向くと、本当にに強くなるために〜で、全 体に青ぽいモノクロ画像・・・。
ライトの横に綺麗な顔がアップになります、現実はなんだろうか〜、真実はどこなの か〜と・・・
ほくろもはっきり、前髪も掛かり、劇画顔負けの見事なお顔です〜〜!!(笑)
澄んだ瞳が静かに語りかけるようで、且つ憂いを帯びた目に力が入ります、これが彼 が放つ目力(めじから)ですね!
耕助から銀狼への変化を意味するかのようで〜、これにはやられてしまいます・・ ・。(笑)
更にこの切れ長な目(この目が掴んで離さないのです〜)がアップとなるところに、 不破耕助(銀狼)堂本光一の文字が 重なります。(実に、うまい作りですよね〜)

下向きから銀狼が起き上がり、悩むほど遠ざかる〜青い星〜で、さらにこの美しき顔 から切れ長の目のアップを、そ れこそサブリミナル効果を狙うが如く、繰り返しフラッシュバックとなります・・・
それがなくても、も〜、完全に落ちておりますよね〜〜(笑)
天使のような〜で頭蓋骨に赤と青で識別された二つの脳のアップと、叫ぶ銀狼の姿が 重なり映ります。
悪魔のような〜笑顔で、銀狼が駆け回り、ジャンプする姿に一瞬怪しげに睨みを利か した冷たい表情が隠れ、その直 後の見下ろすような顔が映ります。これがまた、私は大好きなのですよ〜。
ここからの銀狼を演じる顔は、これまでにはなかった光一ワールドですよね・・・シ ビレますよ〜。
その後はクールビューティーなお顔が冷たく見据え、見つけ出す〜かならず〜で腕組 みをした姿は。これまたとても 〜素敵ですよ〜!!
本当の心を〜〜で、まるでフィルムを裏返して写したかのようにライトの逆位置か ら、綺麗なマスクが近付き、切れ 長のアップの目は冷たい光りを放ち、換気扇の空回りの羽根が被ります・・・。

涼やかな瞳と顔が、透視能力を持つかのように〜、人の心に忍び込んで離れないので す〜。
また、あの瞳の前には、こちらも素直に受け入れてしまえる不思議さが潜んでいます よね。
そうなんです、あの瞳を見ていると、私は、とても素直になれるのです。年齢差など 関係ありません〜、見ていたい、 彼をただ、ただ見詰めていたいと、素直に心が震えるのです。
しかも、これはドラマのはじまる前に撮っているのですから、この表現力にも感心し てしまいます。
「ミッドナイト・シャッフル」を聞くだけで、この魅惑的な映像が目の前に展開し、今 でも最高のタイトルバックだと 思っています。

<再生と変身>

これは、大人であれ子供であれ、生あるものとして飽くことのない永久不滅の願望で すよね〜。
「スーパーマン」しかり、「透明人間」しかり、外国映画であれ、又多くの子供の番 組、漫画番組でも昔から絶えるこ となきテーマです。
困難や危機に直面したときに、変わることが出来れば・・・、死んで、再生が可能な らば・・、と、願ってしまう 潜在願望をくすぐりつづけ、その夢をかなえるテーマでもあるのです。
それゆえこのドラマも、老若男女を引きつけて離さないことが出来るのですよね。
ドラマが始まり、微笑ましい姉弟の言い合いや学友との交流から一転して、耕助は生 死を彷徨い、始まったばかりなの にと思うまもなく、心臓停止で死の宣告を受けます・・・。
そこで、姉の冴子の「いやっーーーーねっ〜、こうちゃーーん!」との叫び声に、奇 跡?が起こります。
雷鳴轟き、稲光の閃光の中、天地創造が・・・?? いえ、冗談ですが〜。 (笑)
それぐらいのけたたましさの中、耕助の心臓と脳波は動き始め、目覚めた瞳・・・そ れは耕助ではありません〜!、
ここに上記のタイトルバックが挟まります。
そして、その青い瞳は立ち上がり、払いのけたその手は、父親代わりに育ててくれた 小早川教授を軽く跳ね飛ばし、 冴子の目の前で崩れ落ちます・・・。一体何が〜??
この衝撃的なシーンで、5才から表面に出ることのなかった、銀狼が登場します!と 同時に耕助の再生がなります。
こうして、その後は、二つの脳が一つの身体を共有します。
では、その精神(こころ)は一つなのか?二つなのか?の問題をも含みつつ、こうし て、耕助と銀狼は交互に登場し、 それぞれの事件を解決しながらも、謎の最終対決(自分達の秘密)へと迫ります。
もう〜、わくわくと、しかもドキドキと期待感が膨らむ展開です〜。


<耕助と銀狼>

5才で父を亡くし、その父の友人である小早川教授に引き取られ、2才上の冴子を姉 のようにして育てられる耕助で すが、彼は気弱で、最初は自転車にも乗れない少年です。
ちょっとドジで、お茶目で、恥ずかしがりやで、それでも、一人でやらなくては〜と いう自立心、向上心、且つ正義 感もあり、そのために強くなりたいと願う心優しき少年です。
とにかく愛すべき性格で、可愛くて〜、姉をはじめとする新聞部の仲間からのいじら れキャラでもあるのですよね。
姉に「あんまり甘やかさないで」と友人に言われて、「ねえちゃんが甘やかすから〜」と 拗ね、照れる耕助、インタビュ ーに訪れた先で炎上するセーターの野球部員の姿に、気絶する耕助、エプロン姿で兄 弟喧嘩をする姿〜に、シスコン こうちゃんと言われる始末〜。(笑)
教室で先生に机ごと座る向きを変えられて、向い合った子に挨拶する耕助、1匹のね ずみに、机に飛び乗って非難す る姿といい〜・・、麗子の笑顔に答えてピースを送り、力(つとむ)の視線にあっ て、チョキとハサミで誤魔化すし ぐさといい〜〜、etc・・・・・もう〜たまらない可愛さですよね〜。(笑)
それに、随所に可愛らしさを表現するのに実に上手く手を使っていますよ〜、注目し てみてくださいね・・。(笑)

また、親友良を亡くした後、自室でアルバムを力なくめくり、しょげている姿の耕 助、唾を飲み込む音も聞こえんば かりの緊張感が伝わり、下を向いた顔は、もう〜、冴子でなくてもほって置けません よね〜。(笑)
この愛すべき耕助のキャラは、光一君のドラマの中でも、群を抜いているといえるで しょう〜。
それゆえに、当初からフアンの間では、この耕助は本人の素に非常に近いのではとし ばし話題となりましたよね。 
なんせ、呼び名からそのまま”こうちゃん〜!”ですしね〜。(笑)皆さんは、いか が思われますか〜?

また、後にそれぞれがドラマや舞台の主役を務めるという演技達者、宝生、木村、中 山、ジャニーズ仲間のV6井ノ原、 三宅、それこそSHOCK共演者の秋山も参加という豊富な出演陣で、今見ても充分楽し めますし、同年代の多い参加で、 それは楽しい撮影風景だったことが伺われます。
光一君自身もこの作品はもう一度やってみたいとして名前を挙げていましたね・・ ・。
作り込む必要のある銀狼役と違い、耕助の方は自然に演じることが出来たのかもしれ ませんね。

それに反して、銀狼は冷徹な雰囲気で、IQ220という超能力を持った対照的な存在 です。
人の思いや、悩みには関心がなく、「俺に不可能はない!」と謎を解き明かし。自分の 能力のみにプライドを持つ天才 のようです。
ただ原作ではIQは300とあるのですよね・・・。何故80を差し引いたか???
私は、このドラマの魅力は、この80の引き算に隠されているようにも思うのです・ ・・。(笑)
原作から多くの謎解きのヒントを得て作り出されていますが、ここではまったくテレ ビ用の脚本と言うことで、光一 君の魅力や、新聞部の活躍が見ものになっているのです。

耕助が傷つき、追い詰められて、絶体絶命と言うピンチに立って、銀狼にスイッチし ます・・・。
前述したように皆に愛される耕助の可愛さ故に、常に冷静沈着な銀狼の姿が、また際 立つのですよね・・。
前髪をおっ立てて、目張りを入れ、青のコンタクトに変えるだけで(少々色付け も)、見事に劇画チックな銀狼に変 身します。
頬の横に髪がなくすっきりさせて、ちょっと縦長の頭で、黒のタートルネックを愛 用、銀色のジャケットにスリムな 黒いパンツ!学生服の時は全開、ポケットに手を突っ込み、応答は、低音で、ぶっき らぼうで、捨て台詞!
絶対に笑わず、上から見下すように冷ややかな目線を送り、「なめてんじゃね〜よ」 とほざく、その姿は本当に素敵 な劇画からの登場のようでもありますよね〜〜。

今回のSHOCKでも、光一君の異なった声の使い方に感心させられたのは記憶に新しい ところです。
ハムレットと、白鯨ではまったく声質は異なっていました。それを、彼はすでにこの 作品で、やってのけていたので すね・・・。耕助と銀狼で、まったく声の質、トーンを変えています、既に経験済み だということですね。ただ、時々 、長い台詞では、途切れてしまう時もあるのですが、それこそ科学物質名や説明が長 いですから〜(笑)
銀狼では、こんな低い声が出るのかと感心したのですが、耕助に戻った時はまた本当 に優しい声の調子で来ます、
「ねぇ〜ちゃん」と呼びかけるところなど・・・、可愛くて〜母性本能をくすぐりま すよね。(笑)

銀狼では下から撮ったアングルが多用されています〜。とにかく、綺麗なのです・・ ・
これこそ類まれな美しさ〜と言えますよね〜。骨格が綺麗だから、あごの線、鼻筋と 実に美しいですよ〜〜。
そして、私の感想は、ファイル3から登場するしっかり者の麗子が代弁してくれてい ます、銀狼に冷たくはねつけら れでも〜、「もう〜カッコイイーー」「もう〜凄いわぁ」「あ〜いうクールなところが 好きなの〜」の繰り返しでありま す。(笑) 
もう〜、銀狼、完璧です〜〜〜!!

ただ、その銀狼の台詞もビュジュアルも完璧でありながら、銀狼そのものは完璧では ないのですよね〜。
IQ220の超天才児でありながら、しばし推測した答えは外れ、銀狼自身、「何故 だー、何故なんだー!」と困惑する ことも度々あり、またフアイル2の野球部長の妹や、フアイル3の犯人の娘の心の崩 壊に直面しても、銀狼は苦悩 するばかりで、しばし耕助へとスイッチしてしまうのです・・。
その上に、金狼と言う名を聞くや、一層困惑とイライラを募らせてしまっていくので す・・。
その反面、気弱で頼りなく見えていた耕助が、各ファイルの最後では、すっくと姉の 前に立ち、堂々と男らしく対処 すると言うように、徐々に逞しさを持ち始めているのです〜。
それはまた銀狼の時であっても、閉じ込められた暗い部屋の片隅に耕助として、全て の言動を見守り、お互い影響を 受け合いながら、耕助は日々成長し、逆に銀狼は心の葛藤が一層深まりつつあると言 えるようですね。
その結果お互いのエネルギーの放出と体力の消耗は進み、これ以上の人格の交代は、 その一つだけの命を縮める結果 となり、小早川教授は耕助を守るため、一つの脳を取り除く手術を決意するのでし た。

<宿命の対決>

不可解な天神学園に次々と起こる殺人事件は、実は金狼から仕掛けられた銀狼への挑 戦状=殺人ゲームだったのです。
科学者であった耕助の父によって、銀狼と金狼は遺伝子操作の結果超天才児として、 生み出されたものでした。
ただ、父は金狼のことを成功作であるが「人間の情緒を持たない化け物の存在」とビ デオで語るのです。
さらに、自ら〜化学への冒涜と・・・、科学者とはしばしその術に嵌り、人の道を外 し、人体実験に駆りたてられる ことがあるのでしょうね〜〜、哀れ自分の、母違いの2人の息子達に、それを施して しまっていたのです・・・。
しかも銀狼は失敗作であるが、耕助と言う、ちゃんと人間の心を持った存在、それが 唯一の救いだということで、 父のメッセージは耕助に託されたのでした。
ある意味、無責任極まりないですよね〜、その結果を確認することなく、実験をして しまい、その後に起こり得るこ とを「おろかな父を許してくれ」としてその息子に頼むのですから、これこそ親のエ ゴ?科学者のエゴ?と言えるで しょうか・・。
その予測通りその金狼に自らの命を絶たれるのですが、それはある意味自業自得とも 言えますよね。

上手いですね〜、ここで、ドラマに必要な大どんでん返しですね〜〜。(笑)
それこそ同じ新聞部員として、これまで起こった事件を解決してきた仲間内に金狼が いる〜と分り、9話のラスト、 銀狼が一人一人の新聞部員にその懐疑の目を向けていくシーンは、戸惑いと、真実を 問いだ出す迫力に溢れています。
私はこの9・10話のファイル5のビデオを買ったのですが、このドラマは全てがこ こに集約されていると言っても 過言ではありません〜。
実に美味しい〜、美しい〜シーンの連続(アップのてんこ盛り)です〜。
成長した耕助と、苦悩する銀狼のとても素敵な2人に会えるからです。
そうしてドラマはクライマックスへと進みます。

間一髪のところで、新聞部員の強力なバックアップで手術前に病院を抜け出せた耕助 は冴子を探すべく家に立ち寄り ます。そこで、待ち受けていたものは〜〜
なんで耕助はこんなに耕助なの?と言うぐらい、また優しい口調で、その上学生服が 良く似合いますよね〜。(笑)
「・・お前〜・・」「・・力・・」
そう〜、彼こそが金狼だったのです!!
第1話であの赤い傘を差し、いじめられっ子として登場した力です!
耕助に「助けてくれる?」「僕どうしたらいいの?」と頼り、恋の相談までして耕助 をはじめ新聞部員や私達まで、 すっかり騙されてしまいましたね〜。(メ^^;)
そのしらーとした顔で、耕助と姉冴子に近寄り、まんまとお人よし君を翻弄し〜、耕 助の大好きな姉冴子を恨みの血 祭りに上げたのです!!
冴子への命の綱・解毒剤を握り締めた耕助の瞳が潤みます、姉冴子を自分の力で助け 出す、強くなれ強くなれと自分 に言い聞かせながら、切ないピアノの調べに乗せて、走るのです・・。

クライマックスその1
何とか時間内に金狼に迫ることが出来たのですが、そこで待ち受けていたものは・・ ・冴子を目の前にしながら、 レーザーに阻まれて、一歩も動くことが出来ない自分です。
もう〜すでに、耕助には心が決まっていたのです・・、そう〜車に映った自分の姿に 銀狼の姿を見ましたね。
すっくと立つなり、姉に語りかけます「ちょっと前の僕だったら、オロオロして泣い ていたかも、逃げちゃ駄目だと 教えてくれた人達がいた〜、姉ちゃんや新聞部の仲間、そして銀狼というもう一人の 自分がね・・・」
良いシーンですね〜!
私は、この語り口調が大好きなのですよ〜、「人間・失格」での留加のナイフを喉に 当ててのシーンと同じです・・。
淡々と語りながらもその静かな熱い演技で、彼の心情が切々とこちらの胸に染み入 り、ジーンときます〜。
私の好きな彼の演技の一つです。
たとえ、姉に止めろと言われようが!「銀狼、後は頼んだぞ〜」耕助は強くなりまし た、何の未練もなく自分を捨て て、銀狼に全てを託すのはこれまでの銀狼との関わり合いで成長した姿でした。
飛び降りて、青白く光る中、姉冴子の「いや〜〜〜〜〜」との叫び声が第一話のシー ンに重なるようですね。

クライマックスその2
青白い閃光の中、切れ長の目が開き、横顔が写り、学生服のボタンを外して、銀狼の 登場です!
一度は耕助のメモ「僕の頼みを聞いてくれ」に対して無視して去ろうとしたのです が、立ち止まり、解毒剤を握り締 め、今度は「耕助、一回きりだからな〜」とつぶやくのです。
それは本人の知らず知らずのうちに、二人の心情がクロスして、これは耕助に関わる 中で、銀狼の成長と言えるでしょう。
ようやく、こうして、ここに11年振りに金狼、銀狼の2人の再会は、直接対決の場 (最終ゲーム)となるのです。
金狼は16年の歳月を憎しみの増大と恨みの復讐に費やしてきたのです・・・。
その吐き出す言葉は、全てが愛してくれなかった父への恨み節であるのですよね〜。
1年前に同じ学校で再会し、愛される耕助を見たときに、自分との違いに愕然とし、 全ての計画がそこから始まったの です・・・。それこそ、三つ子の魂百まででしょうか〜〜!
幼き頃の愛されることへの飢餓感・喪失感が、ここまで増大し、同じ血を分け、ま た、同じ実験材料だった兄弟で、 その父が愛した失敗作の銀狼を苦しめるためだけの、大量殺人だったのです。
それほど、愛されない悲しみ、苦しみを背負って生きていたということでしょうか・ ・・。
そして金狼の狙いは一つ、自分の受けてきた苦しみを味合わせてそこから愛する者を 奪い取ること、銀狼もろとも!!

執拗に銀狼の傷口を攻め、転がり落ちたのは〜、あの力と耕助が姉の誕生日にと選ん で買ったコンパクトでした。
全てのものを自分に従わせ、麗子には「愛している〜」と強要して言わせ〜、銀狼に まで命乞いをしろと迫るのです。
この最終決戦に至っても、銀狼の落ち着きと、世捨て人のような、我に失うものな し〜という冷静な表情も、上から見下す冷ややかな視線も変わらず〜〜!美しくも、 強くも、はかなくもあり〜〜。
命に執着する意志も見えず・・ただ、耕助の約束だけは忘れず〜〜
「御託並べずさっさとやれ〜」「俺に命令できるのは俺だけだーーーーー」と、銀狼 ・・・
ここに、3枚の静止画像が、挟みこまれます〜〜、もう〜カメラ屋さんまで、素敵な 顔で遊んでる〜としか言いようが ありませんよね〜〜(笑)
いえ、大歓迎であります〜〜、あの綺麗なお顔は光一君でしか表現ができませんか ら〜〜!(笑)
金狼は、全ての憎しみを込めてスイッチに手をやります「いや〜〜やめて〜〜」と冴 子の叫び声が上がります・・
コンパクトに仕組まれた誘導装置にレーザーは反応し、それを取り上げた金狼に命中 するのです。
銀狼の冷静な判断と知能は金狼をまさり、耕助に託された、冴子を救うと言う目的も 無事果すことができたのです。

<美しき絆>

滅び行く金狼は、全てのものを道連れにと建物の破壊を企てました。
そして最後にこう言うのでした、「お前にも〜、俺と同じ血が流れている・・・」と ・・・、
銀狼は「確かにお前の言う通りだ、だが、あの甘っちょろい耕助の血もな〜」と・・ ・。
それは亡き父が残した言葉と同じですね〜同じ宿命を負いながら、金狼と銀狼の行く 手を分けたもの、それは父の予言 通り、耕助の存在でしたね〜。
又傷ついた銀狼も立てず、冴子に、「俺はいいから、先に逃げろ」と促すのです・・ ・まったく相容れなかったとい うか、一切銀狼の存在を認めなかった冴子は・・この言葉に驚くのです・・・。

このドラマでは、前作二つに共通した母子間(母と息子)の問題は影も形もありません でした〜。
その代わり母以上の熱い思いを注ぐ姉・冴子の存在がありましたね。
2つ年上の冴子は5歳の耕助が引き取られたその時から、姉として弟の支えになり、愛 を注いできました。
その思いは母代わりでもあり、時にはそれ以上の強さでした。
どんなことがあっても自分で弟を守ると誓うのです〜!
その証拠に、銀狼に変身している時でさえ、一貫して銀狼を認めず、「こうちゃんを 返してよ〜」と食って掛かる有様、 金狼の狙いが、KOSUKEではなく、SAEKO・Kと解った時にも、銀狼は「助 けて欲しけりゃ考えてやってもい い〜、俺の存在を認め・・」と言うのですが、「あんたなんか認めない〜」と頑なに 拒絶し、耕助を取り戻すために 背後から角材で襲い掛かったのは、この冴子でした!!
銀狼は「今、お前が必要なのはこの俺だろう〜」
「何故、自分の命より耕助のほうが大事なのかーー!お前を救えるのは俺しかいない だろう!」
それに対して冴子は「貴女には分らない、私とこうちゃんと過ごした11年がどんな ものだったか・・・」
「私にとってかけがえのない弟なの・・」と見応えのあるシーンが続きましたね〜。
こうした姉の耕助への強い思いは、銀狼にIQだけで解決できない、人間の心の問題を 提示し、銀狼の心を揺さぶり続 けたのです〜。
耕助と冴子の存在が、又、銀狼を成長させ「ふざけるな〜、冴子は俺を憎んでいるの だ〜」と一度は拒否したのですが 耕助の思いを受け入れるのです。すでに耕助と銀狼の間には、一つの美しき絆が生ま れていましたね〜。

そして、最高のクライマックスです。
建物全体が爆破されるかもしれない火急の時に、「先に逃げろ」という銀狼に従わず 「あんたみたいな奴でも死なせるわけにはいかない〜」と言う冴子に、今度は銀狼が 驚くのです・・・。「甘っちょろい奴ら〜」と言いながら差し出した肩に身を任せる銀 狼でした。
燃え盛る炎をバックに、冴子の膝に、横たわる銀狼は壊れたコンパクトを差し出しま す。
「耕助からの誕生日プレゼント壊しちまったな〜」と・・・。
冴子はうなずき「一生、大事にする、こうちゃんの残してくれた最後のプレゼントだ から〜」
そして頬を伝う涙は銀狼の頬に・・・・。
はっとして、見詰め返す銀狼の瞳は、輝いているではありませんか〜。
その瞳はまるで天使のように、生まれた赤子のように澄み渡り・・・冴子を見詰めて いるのです・・。
そして「冴子、お前の耕助、返してやるよ〜」
「俺からの最初で最後の誕生日プレゼントだ!!」とつぶやくのでした・・・。
その涙は、銀狼を全ての戸惑いから解放し、認められることで心を開かせたのでしょ う〜。
そして、それは銀狼のもっとも素直な心だったのかもしれませんね・・・。
耕助にとって冴子は姉でしたが、16才で出会った銀狼にとっては一人の女でしたから ・・・冴子の耕助への思いを受け止めることが、銀狼にとって最高の愛の形であり、 優しさであったのかもしれません〜。
そして、冴子の腕の中、銀狼が手を添え、冴子を見上げて、優しい微笑を口元に浮か べ、静かに目をつぶるのでした〜〜。
まことに〜、美しくもあり〜、儚くもあり〜優しいシーンですね・・・

青い光りの中、閉じた目をあければ それは再生した耕助でした。
「姉ちゃん、僕達助かったの?」姉の冴子は優しく、
「こうちゃんと銀狼のお陰でね〜〜」と抱き寄せるのでした・・・!!
冴子ははっきりと銀狼を認めたのです〜〜、それはもう一つの美しきもの、姉弟愛が あったからといえるでしょう〜

赤い炎をバックに、ソフトフォーカスの掛かったこの映像は、イタリアで見たミケラ ンジェロ作、ピエタ像(別名・嘆 きのマリア像)のようでもありました〜。
傷ついたキリストを自分の膝の上に抱える姿そのものなのです〜!
まさしく、冴子は銀狼にとっても聖母のようだったといえるでしょう〜。
その一筋の涙が、狼の子を人間の子に変えたのではないでしょうか〜〜。

あ〜、愛は宿命よりも強し〜でしょうか!!

<あとがき>

このドラマで姉冴子役の宝生舞も脚光を浴びましたね〜。
2人の雰囲気がそれぞれ、劇画風で、肉感を感じず、本当の姉弟のように感じると話 題にもなりました・・・(笑)
これが、また舞さんに、もっと女としての要素が加わっていれば、彼らは元々血の繋 がりもないのですから、この姉弟 愛もまた別な意味付けを持って見えたかもしれませんよね〜〜。(笑)
ここではまことに〜、母子愛にも似て、美しい〜〜!となるのですよね〜。
キャスト選びに冴えあり〜〜ですね!!(笑)

IQ80の引き算の意味ですか〜?覚えておられましたか〜〜(メ^^;)
それは、テレビサイズにするためですよ〜〜(笑)
なにしろ、バベルの塔だの、ペルーの遺跡だのという話になると、それこそ世界に飛 ばなくては撮影はできませんから ね〜〜、じょうだんで〜す・・・(笑)
でも、ある意味は・・それもありますが、やはり、より人間に近付ける為の引き算 だったのではないでしょうか。
悩める姿に、より人間的な一面が出て、それはお互いの心情の理解にも繋がったで しょうから・・・
そして、冴子にその存在を認められ、初めて銀狼は微笑むのですから、もう〜飢えた 狼でいる必要がないのですよね〜。
誰しも自分の生命の誕生が、何らかの意味、要するに喜ばしいものであったのか?う とましいものであったのか?を 子供心に確認したいと思うものなのでしょう・・・。
その点で金狼はいつも愛に飢えた狼でその生涯を終えました・・。
もし別の育てられ方をしていたら??耕助のように、母代わり父代わりがいて温かい 家庭があれば、あのように愛く るしい存在でおれたのかもしれませんね・・・。
人は愛するものを守り抜き、そしてその愛は自分の命に代えうるほど強いと言うこと を教えてくれるドラマでもありましたね。
耕助は冴子を、冴子は耕助とそして銀狼を命がけで守りましたね〜、では、銀狼は ・・・耕助の願い通り冴子を・・
冴子はナレーションで、あの時、どうして銀狼はこうちゃんを返してくれたのか分り ません、でもあの笑顔だけは忘れないと語りましたね・・、銀狼は勘違いするなよ〜 と言いましたが、冴子だけに見せたあの笑顔には深い意味がありましたね〜〜(笑)

で、銀狼にその命を返してもらった耕助のその後は・・・?
あれっ〜〜、また、甘ったれて〜、お姉ちゃんにべたべた、麗子さんに、フラフラ、 オロオロ〜、ちーとも以前と 変わらないではありませんか!!仲よし新聞部員も〜〜!(爆)
これじゃ〜銀狼は草葉の陰で〜、いえ失言〜! 耕助の心の奥の片隅で、「甘っちょ ろい奴め〜」と舌打ちしている ことかも〜〜。(笑)
いや、彼らは融合して一つになったのですから〜、密かに、銀狼が今まで味わったこ とのない、姉への甘え、家族 関係を楽しんでいるのかも知れませんね・・・(笑)
そして、何か一大事が起きた時には〜、耕助は目じりを吊り上げて、「ふざけん な〜、俺に不可能はない〜!!」 と啖呵を切っているのかも・・・・その時、きっと銀狼は口元に笑を浮かべて〜あの 日のように優しく微笑んでいる ことでしょうね〜。

そして、日は落ち、また昇るの繰り返しでしょうか〜。
最後に流れる「僕は思う」は、まさに・・・アロマセラピーかな・・・、(笑)
温かい優しい声と、歌い方は平穏と平和を与え、心穏やかにさせてくれるのですよね ・・。
おわり

ドラマの部屋  





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送